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マネジメントとは?

マネジメントとは

1.マネジメントとは?

 

「マネジメント」とはどのようなものでしょうか?

「マネジメント:Management」は、英和辞書では第一に「経営・管理」など と訳されています。その組織が所有する「マネジメント技術:ノウハウや マニュアルなど」によって、「経営資源:人・モノ・金・情報・技術・ 時間など」を有効に配分・利用・コントロールして、組織を望むべき方 向に導いていくこと、といえるでしょうか。

この際に市場の動向・顧客の二-ズ・自組織の性質を的確にとらえ、うまくインプットできるか否 かが成功のキーポイントになるでしょう。

 


 

 

2.PDCAサイクル

 

マネジメントは「PDCA」のサイクルにより運用されます。PDCAは

「P1an:計画」「Do:運用」「Check:チェックと対策」「Action:次へ の展開」で、最終的には業務のしくみの継続的な改善をめざします。 まず、ビジョン、つまり方向性を提示することから始まります。これ は、IS09000では品質方針、IS014000では環境方針にあたります。 ビジョンの提示は大変重要なステップです。

次にそのビジョンを具現化 するのに必要な資源を調達したり、割り当てる案を検討し、計画を立て ます(Plan)。その計画に基づいて行動し(Do)、途中段階で、計画どおり に進められているか進捗状況を確認します。

この時点で人やモノ、お金 が不足していたり、資源の配分がうまくいっていなければ、追加投入し ます(Check)。一通りの活動が終了したところで、方向性はまちがって いなかったか、当初立てた計画は妥当だったかなど見直しを行い、さらに よくするにはどうすればいいかを検討し、次の計画に反映させます(Action)。 このPDCAサイクルの流れはマネジメントの基本となるものです。

 


 

3.品質マネジメントシステムヘのニ一ズ

激化する競争社会では、取引の際に相手の品質保証体制を重視する傾向が顕著になってきます。顧客主導型の現代市場では、顧客の要求をきちんと反映した満足させるサービスを提供できるか、人や状況が変わっても将来において継続的に安定した良い品質を提供することができるの かどうか、といったような品質に対する保証が問われます。この品質保 証、品質管理に対する国際的なマネジメントシステム規格がISO9000シ リーズです。

 

4.環境マネジメントシステムヘのニーズ

国際的に地球環境の悪化が問題となっており、人々の環境問題に対する関心も高まってきています。企業にとっても、環境問題に取り組み 環境を考慮した行動をとることが、対外的アピールの要素になりますし、 義務になってきているともいえます。業界によっては、環境に配慮している会社だけが次代に生き残るともいわれています。IS014000環境マネ ジメントシステム規格は、環境に対して組織が取り組む体制を整備するための規格です。

 

5.労働安全衛生マネジメントシステムヘのニーズ

企業の外だけでなく内においても、変化は起こっています。労働条件 の多様化、変化から労働環境の問題も多様化しています。法違守のみ で満足するような従来の消極的な取組みだけでなく、現在では企業の 自主的な取組みが求められてきています。企業にとって、労働者が大 切な資産であることはもちろんのこと、万が一労働災害を引き起こした 場合には、膨大な損失を負うことになりますし、第一に信用を失うことになり、企業の存続問題に大きく関わってきます。

 

6.情報セキュリティマネジメントシステムヘのニーズ

さらに、惰報が交錯する現代においては、企業のノウハウや機密を外 に漏らさないようにすることが重要かつ困難な問題になってきています。また、情報公開、ナレッジマネジメントという観点からも、情報管理の重要性が認識されてきています。ISOでは情報セキュリティマネジ メントシステムについて規格化が進み、また個人情報管理に対するマネ ジメントシステムについても、規格化が検討されています。

このような社会情勢の変化がめまぐるしい中では、管理体制をきちん と整備していくことが組織の生き残り条件となります。企業にはこれまでに述べたようなマネジメントの他、さまざまな観点からのトータルなマ ネジメントシステムが必要であり、その二一ズは高まっています。

 


 

7.マネジメント関連用語

 

SCM (Supply Chain Management:サプライチェーンマネジメント)

 

SCMは、直訳すると「供給連鎖管理」である。商品が最終的に消費者に届くまでには、小売業、卸売業、メーカー、更に部品メーカー、原材料の供給業者などの複数の企業が関わっており、これら が鎖状に繋がっている。これが「供給連鎖」である。

 

そしてこれまで一企業の中だけで取り組まれてきた物流の効率化ではなく、商品供給に関わる複数 企業が一企業の枠を超えて供給連鎖全体を管理する考え方がSCMである。

 

これまでのSCMの展開としては加工食品業界におけるECR(efficient consumer response) や、繊維業界におけるQR(quick response)が実践されてきた。

 

また、SCMの成功事例としては、デルコンピュータ社はITを駆使した生産・物流・販売情報の 一元化により同業他社にくらべ格段に短い在庫日数と高い在庫回転率を達成し、世界有数のパソコン メーカーとなった。

 

SCMは、このようにモノ作りから販売までの最適化を、生産スケジューリング技術や需要予測、 最適化技術などの数理工学やインターネットをはじめとする情報技術を駆使して行うものである。

 

SCMを歴史的に見ると、上流にあたる製造業を中心に発展してきた流れと、下流の流通業や物流業 から発展してきた流れとがあります。いずれの場合も、SCMの導入は、「在庫や仕掛品の削減」、「品切れ防止」、「生産や供給のリードタイムの短縮」などを実現することを目的としています。

SCM導入の動機は、現代の企業が収益力を向上させ、キャッシュフローの増大をますます重視するよう になってきたからにほかなりません。キャッシュフローを重視する経営では、在庫やリードタイムが 限りなくゼロに近づくことが理想であり、SCMは、この理想に近づく効果的な手法として、導入企業が 増えているのです。

 

 


 

 

■モノの流れを適切に管理

モノの流れの管理は、在庫を削減し、供給までの時間を短くすることを目的としますが、生産におけるJIT(Just In Time)やコンビニエンスストアへの多頻度納品に象徴されるように、これを実現するには、 物流網の整備や即納体制の確立なども含めた多くの企業の緊密な連携が必要です。

 

■情報の流れを適切に管理する モノの流れをコントロールするのは、情報の流れです。SCMにおける情報の流れで、最も大切なのは、 製品やサービスの需要予測です。生産計画や販売計画など、すべての計画は、需要予測をもとに立てられます。 この情報の流れは、モノの流れとは逆に、需要から供給へという流れで進んでいきます。当然、この需要予測の 精度が、在庫量や物流経費などを大きく左右することになります。

 

■全体最適を目指す SCMでは、チェーンに参加する企業は常に全体最適を目指す必要があります。たとえば参加企業が自社の最適の みを求めても、部分最適が実現するだけで、全体最適は実現できません。もしも、チェーンのどこかにボトルネックがあると、そのネックがチェーン全体に影響を及ぼし、ネックにあたる部分のレベルが全体の水準を規定することになりま。したがって、すべての参加企業は全体最適を意識し、全体の流れがスムーズになる努力をします。

 

■顧客の視点から発想する SCMが成立するための大前提は、顧客にとっていかに価値ある製品やサービスが提供できるかです。 SCM導入によって、在庫削減や納期短縮が可能になったとしても、製品やサービスが顧客ニーズを満たすもので なければ、ビジネスそのものが成り立ちません。そうした意味で、あくまでも顧客の視点から発想したSCMである ことが、大前提になります。

 

DCM (Demand Chain Management:デマンド チャーン マネジネント)

SCM(Supply Chain Management)が原材料の調達から製品の生産、販売、物流に至る供給連鎖の最適化を めざすのに対して、DCMは顧客の需要創造から商品開発、顧客開拓、販売促進、引き合い獲得、受注成約 に至る需要連鎖に着目する。 たとえば、一般的な製造業においてDCMを考える場合、通常はエンドユーザー(消費財の場合は消費者)、 チャネラー、自社のマーケティング機能部門(営業、商品開発、広告宣伝など)などのプレイヤーの機能の 連鎖が対象となる。これらのプレイヤーの機能分担と業務のプロセスを、エンドユーザー(消費者)のニーズ を起点に最適化し、品質・コスト・スピードの向上を通じて顧客満足・競争優位を実現する

 

 

キャッシュフローマネジメント (Cash Flow Management)

キャッシュ・フローとは、「現金の流れ」と訳すことができます。そしてキャッシュフロー経営とは キャッシュの流入や流出を重視した経営手法であり、キャッシュの最大化を意思決定の基準とする経営 のことをさします。

 

キャッシュフロー経営とは、当期のフリー・キャッシュフローを最大化するだけではなく、それを再投資し、 将来にわたってフリー・キャッシュフローの持続的増加を図ることであり、価値重視経営VBM(Value Based Management)とも言われています。その意味で、顧客に商品やサービスを提供しつづけられる経営、ということ もできます。

 

キャッシュフローは専門的表現で言うと資金収支(資金の収入、支出)のことである。

企業会計では、「収益-費用=利益」を計算し財務諸表の損益計算書にまとめ、公認会計士の監査を受けて 株主に公表してきた。収益は、売上と受取利息などの営業外収益を足したもので、ほとんどは売上である。 費用は、売上を上げるための売上原価、販売費、一般管理費、借入れ利息や手形割引などの営業外費用に大別 される。簡単に言ってしまえば、売上から諸々の費用を引いて利益は計算される。

 

売上がすべて現金で決済され、費用も現金でその都度支払うなら、利益計算と資金収支計算は一致するが、 売上も費用も現金の受け払いが後になる掛けや手形で取引されるために、計算上利益が出たと言っても現金 があるとは限らないのである。

 

キャッシュフローマネージメントとは、この資金繰り(資金の収入と支出の時期と資金量)の管理を言う そして、資金繰りを楽にする方法を検討することである。

 

資金が一般に何に一番多く投入されているかと言えば、原材料・仕掛・製品の棚卸資産と、売掛金・受取手形 などの売上債権である。その次が、生産設備や土地などの固定資産である。これらの効率化と削減が、最も資金 繰りの改善に効果がある。

 

つまり、キャッシュフローマネージメントとは、資金繰りの手練手管を駆使して資金をショートさせない ことだけでなく、必要な資金量を減らす生産・販売の改善であり、そのことこそが重点である。

 

例えば、製造業の企業を想定すると、企業は、株主から委託された資金をもとに、生産設備等への投資や 原材料調達等を行い、売上を上げ、キャッシュとして回収する存在だといえます。企業活動の流れはキャッシュ の流れそのものといい換えることもできます。

 

従来、企業経営の成果を把握する指標としては、売上・経常利益等の指標が一般的でした。しかし、企業活動 の流れがキャッシュの流れだとすれば、企業経営の成果をキャッシュフローで把握することは合理的と考えられます。

 

 


 

ナレッジマネジメント(KM)

・優秀な営業担当者のノウハウや熟練技術者のスキルといった知識資産を組織内で共有する仕組み。 これらを上手に管理し、新しい価値を創造する力に変えていくことで、経営効率などが向上する。

 

・組織の目的・目標を達成するために、価値を創造する知識を発見し、理解し、共有し、創造し、活用する 体系的なアプローチであり、適切な時期に適切な人が、知識をスムースに移転し活用できるようにする 効果的な仕組みを構築し運営すること。

 

・ナレッジとはお客様にとって、組織にとって、「最も価値のある情報」をいう

 

ベンチマーキング (Benchmarking)

 

ベンチマーキングは、自社のビジネスプロセスの非効率な箇所を改善するため、同じプロセスに関する 優良・最高の事例(ベストプラクティス)と比較分析を行う手法です。1989年にロバート・C・キャンプが提唱しました。

 

ベンチマーキングの優良事例としては米国ゼネラル・エレクトリック社の全社改革が有名です。 1980年代に、CEOのジャック・ウェルチのリーダーシップの下、世界一流の効率性を有する日米欧の製造業 を訪問し、各社の取り組みを分析して、自社への取り込みを試みました。同社の有名な「シックスシグマ」 も、この改革で用いられたベンチマーキングの最終段階として、同社の生産性の飛躍的な改善に貢献しました。

 

ベンチマーキングは、世界一流のプロセスを研究するだけでは完遂しません。最も重要なのは、そのプロセス 要素を自社に取り込み、自社の業務プロセスを抜本的に見直し、効率化を実現することであり、日本企業は この部分が欠けていたと考えられます。 ベンチマーキング成功のためにはまず経営陣のコミットメントが重要なのです。

 

リスクマネジメント (危機管理)手法

企業が直面する5つのリスク を現在、用いることのできる範囲で行動アクションをおこし、危機を予見しさけるための手法

企業の諸活動に及ぶ悪影響を低減させるため、要因(リスク)を特定し、資産・活動・稼働力を保護するために必要な機能を、最少のコストで運営管理するプロセスで、経営管理手法の一つと定義される。

リスクマネジメントの目的は、企業を支える「資産・活動・稼働力」の保護であり、これがうまくいかない場合には、企業は倒産してしまう。

(1) 財産損失のリスク

火災・爆発・地震・風災害(台風など)・盗難などにより生じる直接損害に関わるリスク(例えば、商品が盗難など)

(2) 収入減少のリスク

企業の売り上げや利益が減少するリスク(例えば、自社工場が地震で倒壊し、生産がストップや取引先の倒産など)

(3) 賠償責任のリスク

他人の権利を違法に侵害し、これにより損害を発生させた結果、法律上の賠償責任を負うリスク(例えば、新製品
の商品名が商標権侵害であるとの警告書が届くなど)

(4) 人的損失のリスク

経営者、重役、あるいはその他の従業員の死亡・事故・疾病・不健康・信用損失などのリスク(例えば、自動車事故により、幹部が死亡など)。

(5) ビジネスリスク

新製品開発や海外進出などの営業戦略上のリスク、および株式投資・商品取引・為替操作・他社への融資などの資産運用上のリスク(例えば、新規参入者の出現により、自社製品のマーケットシェアが低下など)。

 

 アンガーマネージメントとは?anger management

アンガーマネージメントは、混沌とした気持ちを整理したり、状況を客観的に見る力を育てることを通じて、衝動性が高まっても自分で沈静化し適切な表現や問題解決ができるような力を学ぶプログラムです。

アンガーマネージメントの目的は,3つあります。

1)生理的反応への対応
興奮した身体やこころを鎮静化するために,ストレスマネージメントを学びます。

2)認知反応への対応
混乱しているこころの状態の整理をするために考える力を育てます。
状況を客観的に把握したり,視野を広げたり,先を見通す力を育てます。

3)向社会的判断力・行動力の育成
自分の気持ちや欲求を,適切な方法で表現するソーシャルスキルを学びます。

行動を変えるには、「自分が何をやっているのか」に気づかせることから始めます。
そのためには、「客観的にできごとを見る力」を育てます。自分が繰り返している行動によるメリットとデメリットを整理し、「自分らしく」「適切に」表現するための方法を学んでゆきます。

 

参考文献:

1.マネジメントの基本     高梨智弘著      日本経済新聞社

2.よくわかるナレッジマネジメント    高梨智弘著    日本実業出版社

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